PMBLに対するDA-EPOCH-R(Dose-Adjusted EPOCH-Rituximab Therapy in Primary Mediastinal B-Cell Lymphoma)

概要

Abstract

背景

縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫(PMBL)はDLBCLのサブタイプの一つであり、nodular sclerosing Hodgkin’s lymphoma によく似る。若い患者に多くみられ、縦隔に巨大な腫瘤をつくる。標準治療は確立していないが、免疫化学療法では不十分であるため放射線照射が行われており、重篤な晩期有害事象の可能性がある。今回、治癒率の向上と、放射線治療をなくす治療の開発を目指した。

方法

単施設でのフェーズ2試験で前向き試験を組み、51人の未治療のPMBL患者に対してDA-EPOCH-R(エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニン、リツキシマブ)とフィルグラスチムの投与を行った(放射線治療はなし)。また、他施設で実施された後ろ向き研究の結果を独自に検証した。

結果

患者年齢の中央値は30歳(19歳~52歳)で、腫瘍径の中央値は11㎝であった。59%が女性であった。5年間のフォローアップでevent free survivalは93%で、OSは97%であった。他施設の後ろ向き研究では、16人の患者が3年間のフォローアップでevent free survivalは100%であった。また、すべての患者で放射線治療は施行されなかった。どの患者にも晩期の罹患や心毒性の影響は認めなかった。

フォローアップの期間は10カ月~14年間であったが、51人の患者のうち2人(4%)以外はCRであった。2人は放射線治療を受け、フォローアップ時には無病であった。

結論

DA-EPOCH-RはPMBLに対する放射線治療を不要にすることができる。

方法

1999年から2012年にかけて、51人の未治療のPMBL患者を本試験に組み込んだ。StageⅠで少なくとも5㎝以上の腫瘍径がある患者を対象とした。

患者はDA-EPOCH-Rを6~8コース受けた。病変の評価は4コース後と6コース後に行い、その間に腫瘍径が20%以上減少していた場合は8コース施行した。20%より少ない場合は6コースで終了した。