地固め・維持療法における低用量VRD(sVRD)のはなし(A Phase II Trial of Small-Dose Bortezomib, Lenalidomide and Dexamethasone (sVRD) as Consolidation/Maintenance Therapy in Patients With Multiple Myeloma)

概要

多発性骨髄腫における低用量のsVRDのはなし(第2相試験)

Abstract

目的

多発性骨髄腫の患者において、地固め療法や維持療法は深い寛解を得ることができるが、最も最適なレジメンは現在検討されている最中である。ボルテゾミブとレナリドミドとデキサメタゾンの併用療法(VRD)は、再発難治例や新規に診断された多発性骨髄腫の初回治療として協力な治療法である。しかし地固め・維持療法として用量減量なくVRDを導入した場合に、重篤な副作用が起きる可能性がある。

方法

単施設でのフェーズ2試験で、地固め・維持療法における低用量のVRDレジメン(sVRD)の効果を評価した。

何らかの導入療法でPRまたはそれ以上の奏功を示した16人の患者を組み込んだ。患者は28日サイクルのレジメンで、ボルテゾミブ皮下注射(1.3mg/m2を1日目と15日目に投与)、レナリドミド内服(10㎎/dayを1日目~21日目まで)、デキサメタゾン内服(40㎎/dayを1日目、8日目、15日目、22日目)を少なくとも6コースうけた。

結果

ORは100%、CRは43.8%であった。特に、登録時にCRだった患者1人と非常に良好なPRであった患者2人は、sVRD投与6コースのあいだにsCRを達成した。

追跡期間の中央値は29.4カ月で、PFSとOSの中央値は未到達であったが、2.5年後のPFSは66.6%、OSは77.3%であった。

sVRDの中止理由としての原疾患の進行は、OSにマイナスの影響があることがわかった。グレード3または4の副作用は認めなかった。

結論

今回の地固め・維持療法におけるsVRDのレジメンは、効果が高く、また忍容性も高い結果となった。